■自助努力をする人には、自立のチャンスを!
文責・今一生(当サイト管理人)
1999年、僕は一人の家出少年から連絡を受けました。
ちょうど、被虐待児童と殴られ妻の自立を支援する本『完全家出マニュアル』(メディアワークス)という本を執筆していた頃です。
最初は建設現場で働いたものの、お布施で貧乏な両親の家計で栄養失調を強いられた体では1カ月間しか務められず、新宿2丁目で「ウリセン」を始めていたのです。
「ウリセン」とは、大人の男性に買われる少年版の援助交際です。
そんな彼に、僕は言いました。
「いいかい、これまで苦しんだ君の経験は、君自身の財産なんだ。
1500円の本でも10%の著者印税なら初版2万部で、税込300万円が君のものになる。
それからしばらくして、彼から「どうしても大学に行きたい。だから本を書きたい」と電話が来ました。
彼は既に大検に合格し、寮付きのパチンコ店で住み込みで働きながら、2カ月間は働かないで済むだけの貯金もしていたのです。
その事実は、自助努力を十分に果たした彼の「本気」さと誇りを感じさせました。
彼は、ときどき自分の生い立ちを思い出して泣きながらも、1カ月間のうちに400字詰め原稿用紙換算で800枚に及ぶ自伝史を書き上げ、自分がかろうじて知っている有名な出版社の連絡先を104で尋ねて自ら電話し、編集者にアポをとり、出版にこぎつけたのです。
それが、『「人を好きになってはいけない」といわれて』(大沼安正・著/講談社)という本です。
本気で「救われたい」と願いながらも、誰もが納得できるような精一杯の自助努力を続けてきたのに、あともう少しだけ頑張れば届くはずの目標に一人ではどうしても届かない。
そういう人なら、自分のできる範囲で支援したい。
大沼くんとの出会いから、僕はずっとそんなことを考えていました。
しかし、まったくのボランティアで支援していくと、支援する側が膨大な時間や資産、体力を消費するばかりになり、支援活動を続けられなくなります。
ビジネスの手法を使うとは、たとえば、支援活動そのものが支援対象を救うのと同時に、支援する側の収入にもなるような働き方を採用することです。
当事者と僕が2ショットで話す講演というスタイルで全国各地を回り、どんなに落ちぶれた人生であってもその「苦しかった経験」こそが財産であると気づき、その商品化から開かれて行く未来があることを、多くの人に伝えたいです。
この「当事者と一緒」プロジェクトによって、支援を求める人がやがて「サバイバー」として独立して講演を依頼されるようになり、そこから「ソーシャルベンチャー」を興したり、「サポーター」として支援する側に回れる日が来るように、一つでも成功事例を増やしていきたいです。
自助努力をちゃんと続けていけば、その重みをちゃんと評価して「あと一歩」のもどかしい状況から救いあげてくれる人が現れるのだという空気を、あなたと一緒にこの国に作りたいです。
あなたの街に、ぜひ僕たちをお招きください。
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